母子手帳

息子を産んで、最初の一ヶ月。
鳥取から母がお手伝いにきてくれた。
その時、会ってすぐ渡されたのが、母が使っていた36年前の母子手帳だ。



相当年期の入ったもので、歴史を感じ、思いを馳せ、なぜだか泣きそうになった。
きっと、産後直後のマタニティーブルーのせいだ。
来て早々、号泣するのも恥ずかしいので、どうにかこうにか耐えた。

心が落ち着いたころに、なかを読むと、そこには母の手書きで、わたしの産まれてからの記録が綴ってあった。

4月11日 はじめておんぶをする
5月1日~ じゃがいも少し食べた
8月 産まれてはじめての美容院にいく
    パンをよく食べる
10月 寝返りがやっとできるようになる
   バババとしきりに声をだす

自分が思い出せる最初の記憶は、3、4歳くらいからなので、それまでの自分自身がどうだったか、この母子手帳を読んではじめて、そうだったんだと思える。

わたしは一切覚えてないが、文章から母の苦労も伝わってくる。

1歳6ヶ月 叱ると物にあたりなげつける
     思い通りにならないと大声で泣く
                甘えが目立ち嘘泣きをする
2歳 わがままで自分の思うようにならないと泣く。妹をいじめてばかり。

結構、わたしゃ良いお姉ちゃんと思っていたが、勘違いみたいだ。



そして、しきりに綴ってある
「耳をかまわないと眠れない」
これは、まさかの36歳になった今も続いている。なぜが、眠くなると耳をさわる癖があるのだが、赤子のときから続いていたなんて驚きである。

母子手帳を読みながら、当時の母も今のわたしと同じように悩み、不安を感じながら、今に至るのだなぁ、と今の息子と当時のわたしの成長記録を見比べる。

なんとなくの平均はあっても、正解も不正解もないわけなので、自分のペースでやっていくしかないのだと改めて感じた。

そして、いつの日か、息子が大きくなり、父になる日がきたら、かっこよく母子手帳を渡す母になりたいもんだ。

断捨離が得意なわたしではあるが、そのときまで、しっかり記録し、大事に大事にしようと思います。

 

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