慣らし保育

新生活が始まる季節。
息子も4月から、保育園という新たな場所に通い出した。

もちろん息子にとっても初めての経験だが、わたしにとっても初めてづくし。

まず、慣らし保育という聞き慣れない言葉に出会った。

ゆくゆくは、ある程度長い時間預けるのだが、最初からいきなりは厳しいと言うことで、

まずは、2時間を数日
その次は、お昼ご飯まで
そして、少しお昼寝して

と徐々に慣らしながら、新たな生活、場所、人に溶け込んで行くための準備期間なのである。

そりゃそうだ。
まだ地球に来て一年。
日々の生活でさえ、初めてだらけ。
そんな中、いきなり保育園とは、ある意味別の惑星に行くようなものなのかもしれない。

初めて2時間預ける日。
案の定、先生に預けた瞬間にぎゃーと泣いたが、心を鬼にしてとんでもないスピードで消えた。

2時間後、お迎えに行くと、少し遠目から息子の様子をうかがえた。

幼児用カートの中で指をしゃぶりながら
「別に俺は平気ですけど」
みたいな顔をして、たたずんでいた。

彼なりに、必死に、ひっそり頑張っているその姿がなんとも言えず、胸が締め付けられた。

わたしに気がつくと、先ほどまでのフフフーンな感じはどこへやら。
何語か分からない言葉で、めっちゃ怒ってきた。
おそらく
「俺をひとりにして、おまえはどこ行ってたんだよ」
的な感情じゃないかと勝手に解釈した。

そして、先生から園での様子を聞き、いっぱいいっぱい頑張ったんだな、と思いっきりぎゅっとした。

数日経て、お昼ご飯が始まった初日。
慣れない保育園での食事、ちゃんと食べられるか心配であった。

お迎えに行くと、先生から
「ご飯もしっかり食べ、おかわりされました」

こちらの心配をよそに、がっつりおかわりしていた。

すごいぞ、息子よ。

そして、この息子のおかわりで、ある言葉を思い出した。

「泣きながら、ご飯を食べたことのある人は、生きていけます」

大好きなドラマ「カルテット」(TBSテレビ)での劇中台詞。

これを息子で言い換えてみると

「慣らし保育で、ご飯をおかわりできた子は、生きていけます」

楽しい園生活が送れますように。

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