古着にはまりにはまっているわたくし。
最近では古着屋さんに行くだけでなく、公園で開催されているフリーマーケットもうろうろするようになった。
フーリーマーケットは、本当にさまざまな方が出店されていて、お家で使わなくなった服や食器やおもちゃなどが何百円から売っている。
皆さん、レジャーシートなどにひろげて売っており、その雑多な感じが、なんだか異国のマーケットを思い出す。
中には、海外で買い付けてきたようなヴインテージのTシャツなどもあり、そのどっさっと積んである中から、自分なりのお宝を見つけるのが楽しいのだ。
2ヶ月ほど前、いつものようにフリーマーケットを散策していたときのこと。
息子用のサンダルを買い、次は自分の洋服でも見ようとしていたそのときだった。
突如背後から
「『すっぴんしゃん』聞いてまーす」
という応援団並みの雄叫びがするではないか。
『すっぴんしゃん』とはわたしがパーソナリティをやっているTBSラジオの番組のことである。
あまりの驚きに、一旦振り向くのをためらっていると
「『すっぴんしゃん』聞いてまーす」
また叫んでる。
現場はかなりの人混み。
これはやばいとパニックになったわたしは、声のする方へ振り向き、とっさに
「しっーーーーーーーーーい」
とジェスチャーをし、そそくさとその場から逃げた。
しかし、これが後になって考えると、とてつもなく失礼なことをしたのではないかという思いが巡りはじめた。
「『イッテQ!』見てます」と言われることはよくあっても、「ラジオ聞いてます」と言ってくださる方は少ない。
ただその分、ラジオは本当にリスナーさんに支えられていて、距離も近いし、愛も深い。
そんなリスナーさんに対して、わたしはなんて失礼なことをしたのだろうと後悔の念にかられた。
しかし、わたしは思った。
ラジオのことは、ラジオで解決するのが一番ではないか。
きっと聞いてくださっているだろうという思いと、なかなかないエピソードに、ここぞとばかりに喋りまくった。
数週間後のラジオ収録。
スタッフさんの粋な計らいで、『すっぴんしゃん』聞いてます男性とサプライズでお電話が繋がり、お話ができた。
正真正銘、あのとき特殊な形で声をかけてくださった方で、くぼうらさんという心優しき、古着を愛する素敵なメンであった。
あのときの無礼を謝り、お互いすっきりし、気づけば古着の話をしていた。
数日後のフリーマーケットにも出店されるという情報をもらい、くぼうらさん特別出演の回は終わった。
そして数日後、わたしはまたフリーマーケットにいた。
今度はわたしが、くぼうらさんを見つけようと血眼になっていた。
なんならあのときの逆で
「くぼうらさーーーーん」
と叫びたいくらいだ。
ようやく、くぼうらさんを見つけ、ラジオのお礼も早々に、「これいいよ」と勧められたスカジャンを試着していた。
その後もオーバーオールやらジーンズなどを吟味し、最高にかっちょいい古着を2点買わせてもらった。
やっぱり、なにか偏愛すべきものがある人って最高だ。
生き生きしているし、自分軸で生きてる。
そして、何より今回のご縁に感動している。
それもこれも、ラジオがきっかけ。
やはり、ラジオには愛深きリスナーさんがたくさんいて、そんなリスナーさんに支えられている。
なんだか今回は点と点が繋がった気がして、すこぶる嬉しかった。
繋いでくれたラジオよ、ありがとう。