先日NHKで放送された「いもと日和」。
この番組で、わたしが憧れてはいるものの、なかなか手が出せないでいた鉄のフライパンにスポットを当て、取材させてもらった。
東京から、なんだかんだ3時間
着いた先は、茨城県の自然溢れる古民家。
こちらで、鉄職人・宇田さんにお会いした。
ご自宅にお邪魔させていただくと、もうそこは美術館かというほどおしゃれな空間で、宇田さんが作られた作品が展示されていた。
わたしならテレビを置くであろうところに、鉄の屏風。
椅子やソファも骨組みの部分が鉄でできており、木や革製品との相性が良いことに驚いた。
そして、コケ玉や生花も鉄に飾られており、まさにセンスの塊であった。
フライパンだけでなく、こういったアート作品や家具も作られている宇田さん。
お話もお上手で、気がつけば質問攻めをしていた。
自炊をはじめて数年、テフロン加工のフライパンに頼ってきたが、やはり毎日使っていると加工部分がはげてきて、焦げ付くようになってくる。
そのたびに新たなものと交換するのだが、だんだんとそれが気になってきた。
せっかくのお気に入りの道具、一生使えるものはないのか。
というのが発端で、鉄のフライパンを意識するようになった。
しかし、自分の中の難点が、
重い・焦げ付く・錆びる
結果、買っても、使わなくなるんじゃないか。
憧れてはいるが、購入までにはいかなった。
しかし、目の前には鉄職人。
ここぞとばかりに、気になることを聞く。
すると、実践して全てを解決してくれた。
重さに関しては、手で持ち上げて振らなければよい。
鉄板のように置き、混ぜる方だけ動かせば問題ない。
まさかの答えであった。
解決。
焦げ付くのは、火加減が強すぎるから。
思った以上に熱の伝導率が良く、そこに気をつければ大丈夫であるし、最悪焦げてもこすればおちる。
解決。
錆びに関しては、毎日使っていれば錆びない。
解決。
心配事が消えたわたしは、もはや無敵。
明日から鉄のフライパンを使っている自分を想像して、すでにわくわくが止まらない。
そして、その場で、宇田さんの奥様直伝の麻婆豆腐を作らせてもらった。
そこで感じたのは、鉄のフライパンで料理すると、視覚、嗅覚、聴覚がとんでもなく刺激される。
なんというか単なる作業ではなく、アート作品を作っているかのような楽しさがある。
実験に近いのか。
とにかく、作ること自体が大きなイベントになる。
鍋の中を見ているだけで楽しい。
そして、何よりできた麻婆豆腐の美味いこと。
格別の味であった。
早くお家で使ってみたい。
という逸る気持ちを抑え、ロケから数週間、ようやく我が家に鉄のフライパンがやってきた。
さっそく空心菜の炒め物を作ってみた。
我ながら美味い。
これから、毎日使って新たな相棒にしていきたい。