加瀬という男 後編

世界中がコロナによって生活が一変し、仕事に関しても今まで通りとはいかない日々。
わたし自身、あれだけ毎月行っていた海外ロケもストップし、定期的に会っていた各国のコーディーネーターさんとも会えず寂しさを感じていた。

加瀬さんもそのひとりかと思いきや、彼は違った。
コスタリカの観光業も全てストップしているため、しばらくは日本に戻っているというではないか。
しかも、こんな機会はめったにないから、と今まで行ったことのない日本をひとりで軽ワゴンで巡るひとりジャパンツアーをするというではないか。
正直、世の中全体的に閉塞感が漂い、暗い日々を過ごしている中、こんなに明るく楽しそうにしている加瀬って何者なんだ。と同時に、なんだか不安まみれの自分がおかしくなってきた。ざっくばらんに金銭面のことを聞いても、今までの蓄えと地元の友人のお手伝いをしたり、1~2年くらい行きたい場所に行って、見てみたいものを見て、その後のことはそこで考えるとざっくばらんに話す加瀬さん。なんだかとてつもなく、たくましくうらやましく思えた。
きっと、今までもそうやって生きてきたのだろうし、起こったことはしょうがない。その中で、どう自分らしく楽しむのか、生きるのか、というのをまさかの加瀬さんから教わった気がする。

日本にいる加瀬さんには、本当にお世話になっている。DIYが得意な加瀬さんに、新居の本棚やファミリークローゼットをまるまる作ってもらった。第一印象から考えるととんでもない交流である。
つい先日も、栃木の湧き水で育てたおいしいイワナがあるから、と家に持ってきてくれた。そして次の日には、まだ行ったことがないからとひとりでディズニーシーに繰り出していた。とにもかくにも加瀬さんは最強なのである。



最初機内で会った
「いもっちゃん、チョリース」
から、加瀬さん自身きっと何も変わってない。ただ年月なのか関係性なのか、わたし自身そういう少し強引な加瀬さんに心から助けられた。人に寄り添うって難しいけど、大切なひとだったら、ときには強引に寄り添うこともあってもいいのかな、と加瀬さんを見ていて想う。

わたしよりも先にジャパンツアー47都道府県を制覇した加瀬さんは、まさかの二周目に突入するという。
おそるべし加瀬。。。
 

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